シニアの起業はアイデアと技術を生かして…
シニア起業成功のポイント

最近、シニアの起業需要が高まっています。そこで今回は、これから起業を考えている方へ起業成功のポイントやアイデアを説明していきたいと思います。実際にシニア起業家のインタビューを踏まえて成功するポイントをお伝えしていきたいと思います。

1.現在のシニアの起業事情

企業を考えている60歳以上の割合は年々高まっています。総務省の就業構造基本調査のデータによると、60歳以上の起業希望者及び起業家の割合は、1979年には3%から6%程度だったものが、2012年には15%から30%までアップしています。シニア層は長年社会人として働いてきた経験があり、自己資金も豊富であるというのが理由の1つです。また起業を希望するシニア層は、動機が明確で起業への意欲が高いという特徴があります。なぜ起業を希望するシニア層が増えているのかというと、企業で働くことにやりがいを感じられないシニア層が増えていることも理由の1つとして考えられます。

労働の機会増加も責任あるポストから外れてしまうケースも…

高年齢者雇用安定法が改正され、シニア層が労働する機会は増えています。法改正によって努力義務ではありますが70 歳までの就業確保がされた他、再就職援助措置や多数離職届等の対象が追加されたことで、以前よりもシニア層が長く働ける環境が整えられました。しかし、高年齢者の継続雇用が進んでいるとはいえ、非正規職員や従業員の割合は高くなっています。平成28年の総務省の労働力調査によると、雇用形態別雇用者数及び非正規雇用者率の割合は、65歳から69歳の男性で約72%、女性で約81%です。60歳から69歳のデータでも男性で約53%、女性で約76%となっているため、60歳を過ぎると半数以上の人が非正規職員もしくは従業員として働いているということになります。

非正規職員として働いていると仕事に対しての責任もあまりなく、企業の重要ポストなどに就く機会も少なくなるため、仕事にやりがいを感じられなくなるシニア層も多いです。それが原因で、起業を希望するシニア層が増えていると考えられます。起業するにはある程度の資金や経験値が必要になりますが、シニア層はその条件を満たしている場合が多いため、起業にチャレンジする意欲が高くなっているのではないでしょうか。

2.シニアの起業で失敗してしまうケース

お金に余裕があるからこそ失敗してしまうことも

シニアの起業で失敗してしまうケースもありますが、よくある原因が気持ちとお金に余裕を持ちすぎることです。自己資金が豊富にあるというのは起業をする上で大きな強みになりますが、余裕を持ちすぎるのはよくありません。起業をする時には様々な費用がかかりますが、初期費用などにお金をかけすぎてしまい失敗してしまうケースは多いです。サラリーマン時代の貯金や退職金などの蓄えがあり、自己資金を潤沢に用意できる人もいるかもしれません。しかし、起業をする時はお金をたくさんかければよいというものではありません。起業するためには会社の設立費や運営費など様々なお金がかかります。

会社を設立した後は、広告費や店舗の賃貸費、人件費など多くの費用がかかるため、潤沢にあったお金があっという間になくなってしまうことも考えられます。会社を設立したからといって、すぐに黒字経営になるとは限りません。お金に余裕があるからといって無駄にお金を使わず、今後かかるであろうコストのことまでしっかり考え、計画を立てて使う必要があります。

その人脈は仕事に活かせるのか?がポイント

人脈があると勘違いして失敗してしまうケースもあります。シニア層は社会人経験が長いということで、会社の同僚や取引先の相手、プライベートの友達など多くの人脈を持っているかもしれません。しかし、その人脈がすべて起業する時に活かせるとは限りません。例えば何かを販売する事業を立ち上げた時、「友達がたくさんいるから顧客がすぐ見つかる」と考える人もいるかもしれませんが、実際に商品を購入してくれる友達はあまりいなかったというケースはよくあります。
起業をする時は、本当に仕事に活かせる人脈を持っているかどうかを冷静に判断しなければなりません。

3.今までの技術や趣味を活かしたビジネスが成功の秘訣

成功のポイントは「得意なこと」や「好きなこと」

高年齢者雇用安定法の改正により、定年退職の年齢が引き上げられました。シニア層も長く会社勤めできるようになったのは良いことですが、年齢が上がると非正規職員や従業員の割合が高くなってしまいます。重要なポストを任される機会も減り、長年仕事をして培ってきた経験を活かす場所も少なくなります。このような環境が原因で、起業を考えるシニア層も少なくありません。
起業を成功させるために重要な要素になるのが、サラリーマン時代に培ってきた経験や技術、自分が好きな趣味などを活かすことです。

「得意なこと」や「好きなこと」を教えるビジネスに勝機!

全く経験のない業界に飛び込み、新たなビジネスを始めるのは簡単なことではありません。勉強をして0から知識やスキルを身に付けなければなりませんし、仕事をするためのノウハウも持っていないため、準備に膨大な時間がかかってしまいます。今までの技術や趣味を活かせるビジネスであれば、準備期間も短く済みますしやりがいを持って仕事ができるようになるでしょう。起業というと何か商品を販売するビジネスや飲食店を始めるというイメージがあるかもしれませんが、スクールで自分が持つ知識や技術を教えるという方法もあります。

スクールは、新しいビジネスを始めるために知識やスキルを学びに来る人も多くいます。その時にただ知識やスキルを持っているだけではなく、現場での経験がある講師から生の声を聞けるというのは大きなメリットです。自分がサラリーマン時代に培った技術や知識はもちろん、経験談や実際に現場で役立つノウハウまで教えることができれば、スクールの売りにもなるでしょう。

シニアの起業家はどのような業種でチャレンジしているか?

ビジネスを成功させるためには、消費者がどのような商品やサービスに注目しているのかを考える必要があります。消費者の需要が高いビジネスであれば、成功する可能性も高くなるためです。今注目されているのが、コロナ禍の巣ごもり需要です。コロナが流行し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されているということで、外出を控え休日も自宅で過ごす人が多くなっています。
そこで大きなキーワードになるのが「巣ごもり消費」です。巣ごもり消費というのは、コロナ禍の影響で外出を控えるようになった人達が、自宅で過ごす時間に関連する消費のことです。

多くの人が自宅で過ごす時間が長くなったことで、これまでは注目されていなかった商品やサービスの需要が急激に高まっています。巣ごもり消費に関連する業態は、落ち込むことなく売上が伸び続けているため、定年退職を機に起業しようと考えている人は参考にしたほうがよいでしょう。ここからは、巣ごもり消費によってどんな業種が注目されているのか、一部を紹介していきます。

#食品容器販売

巣ごもり消費によって伸びている業種の1つが食品容器販売です。外食をせずに家で食事をする人が増えていることもあり、テイクアウト営業をする飲食店が増えています。そこで需要が高まっているのがテイクアウト用の食品容器です。これまではテイクアウトを行っていなかったラーメン店やレストランが多くなっています。以前からテイクアウトをしていたのであれば用意する容器の数を増やすだけで済みますが、コロナ禍を機にテイクアウトを始めたお店は新たに容器を発注しなければなりません。そのため、使い捨て出来る容器やお皿などの需要がうなぎのぼりになっているというわけです。新しく参入するチャンスが増えたということで、食品容器販売にチャレンジするシニアの起業家も多くなっています。

#室内遊具販売

室内遊具販売も注目しておきたい業種の1つでしょう。コロナ禍の影響で休校する学校も多くなり、お子さん達が家に長くいることが増えました。学校に行かなくなり遊ぶ時間は増えましたが、外出が自粛されている状況では気軽に外に遊びに行くことができません。そこで注目されているのが室内で遊べる遊具です。学校にも行けず外で遊ぶこともできない子供に、室内遊具を買い与える親御さんが多くなっています。

様々な室内遊具がありますが、特に売れているのがトランポリンです。トランポリンは子供の運動不足を解消するのにも、最適な室内遊具と言われています。トランポリンは身体の緊張と緩和を繰り返す運動です。これが子供の身体の発達には欠かせない運動で、トランポリンで繰り返し跳びはねることで、バランス感覚や体幹を鍛えることができます。外で思いっきり身体を動かすことができない子供のストレスを発散させながら、身体作りの手助けもしてくれる室内遊具ということで人気になっています。コロナ禍で需要が伸びている業種のため、何をビジネスにしようか考えている方は、室内遊具販売を始めてみるのもよいかもしれません。

#園芸・造園業

外出ができないということで、この機会に庭のお手入れをしておこうと考えるご家庭も多くなっています。おうち時間を利用して、園芸を始めた人に向けてガーデニングに関する業種を始めてみるのもよいかもしれません。園芸をする時には様々な花の種や花の苗、ガーデニング用の道具などが必要になります。ガーデニング用品の需要が高まっているため、そういった商品を取り扱う店舗や通販サービスは大人気です。長期間続くコロナ禍に疲れてしまった心を満たすことができ、ストレス解消にもなるということでガーデニング関連の需要は今後も高まっていくでしょう。

自分で園芸はしないけれど、庭を綺麗にしたいという人には造園業が人気です。プロの手によって綺麗に整えられた庭は、コロナ禍で疲れた心を癒してくれます。また、造園は業者に依頼しても家の中に入る必要がないということで、依頼しやすいと感じる人が多いようです。造園業は素人がいきなりできるものではありません。庭を美しく整えるためには、技術力はもちろん長年の経験が必要になります。長年造園の仕事をしてきた人であれば、その経験やスキルを存分に活かすことができるでしょう。コロナ禍の影響で以前よりも需要が高まっている業種となっているため、造園の経験があり起業を考えている人はチャレンジしてみてはどうでしょうか。

#エクササイズ用品

巣ごもりで家にいることが多くなり、運動不足に悩んでいる人が増えています。特に巣ごもり太りに悩む人が多く、家で気軽にエクササイズできるグッズが人気になっているようです。外出しなくなると、どうしても身体を動かす機会が減ってしまいます。運動をしなくなった上で、家にこもって飲んだり食べたりしていては太ってしまうのも当然でしょう。そこで、エクササイズ用品を購入して、運動不足の解消やダイエットをする人が増えているというわけです。エクササイズ用品を取り扱うのであれば、手軽に使えるものを選んだほうがよいでしょう。本格的な器具は扱うのが難しいですし、サイズが大きいものになると保管が大変です。

巣ごもりを機にエクササイズを始めた人向けに、ダンベルなど手軽に使えるものを中心に販売してみるとよいかもしれません。エクササイズ経験者の人は、エクササイズ用品の販売と動画配信トレーニングを合わせてみるのもよいでしょう。コロナ禍で外出するのが難しいということもあり、動画配信をするサービスも増えています。Zoomなど自宅で手軽に動画のやり取りができるサービスもあるため、それを利用してエクササイズのレッスンも合わせて行えばより魅力的なサービスを提供できます。エクササイズ用品を購入しても、どのように使えばよいか分からないという人も多いです。そういう人に向けて動画配信トレーニングを行えば、人気が出るかもしれません。

これから起業しようという方へお伝えしていきましたが、参考になりましたでしょうか?自らの経験や趣味を活かしながら、アイデアで勝負する。そこが起業してから成功するポイントになります。シニアノミライは、そんな起業を検討しているシニア層のサポートするために情報を発信しています。
先輩起業家のインタビューや企業をサポートしてくれる企業の紹介などシニアノミライを見れば安心して起業できると考えています。ぜひシニアノミライの情報をチェックしてください!

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