ご自身のアスリート経験から突然のご病気からアスリートのサポートをするように。
アスリートの悩みの中心となる引退後の稼ぎ方について岡安さんに聞きました。

アスユメLabo.代表 アスリート専門心理カウンセラー/ ブランドクリエイター岡安一正さん

ご自身のアスリート経験から突然のご病気をきっかけにアスリートのサポートをするようになった岡安さん。

アスリートの悩みの中心となる引退後の稼ぎ方について岡安さんにお話を聞いてみましょう。

起業したきっかけを教えてください。

もともとはプロスキーヤーでした。16歳でスポンサー支援、20歳で大会中に大けがを負い、その場で引退というつらい経験をしています。その後2019年に自身が過労より脳卒中で倒れ、生死をさまよいました。その時、自分が生かされた理由を考え、自分のようにつらい思いをしているアスリートの声を聴いてあげたいと思い、カウンセラー資格の国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。それだけでは足りないと思い、心理学者の論文を読み漁ったり、日本の心理学会の第1人者の教授に会いに行ったり、某大学スポーツ研究機関の研究に参加させてもらったり、某大学にてキャリア心理学の非常勤講師をさせていただいたり、という活動を通して経験を上げていきました。そこから、キャリアコンサルタントだけでは、クライアントのニーズに応えきれないと感じ、ファイナンシャルプランニングの国家資格も取得、スポーツ庁アスリートキャリアコーディネーター(国内初選出)など、起業のための武器をそろえていきました。そして、スポーツ庁キャリアセンターの立ち上げに参画したタイミングで起業しました。(現在もスポーツ庁キャリアセンターにカウンセラーとして所属しています。)

 

あなたの事業内容と、他社にない強みを教えてください。

アスリートしての自分自身の経験を活かしてメンタルケアなどのサポート業務をしています。やはり、自分に選手経験があり、選手のつらい気持ちを理解しやすいので、選手の気持ちになって寄り添えることが最大の強みです。

起業準備の中で困ったことはありますか?

そうですね、引退間近だったり、引退してすぐだと将来の生活に不安を感じてしまい、金銭面が厳しい方が非常に多いですね。こちらもプロフェッショナルなので、ご料金は頂いておりますが、その説明をした瞬間にカウンセリングをあきらめちゃう方が多かったりするので、何とかしてあげたいと思いながらも、とても悲しい気持ちになりますね。お金を払ってカウンセリングを受けるという文化が日本にはほぼないので、そこはとても苦労しているところですね。

選手の所属企業、団体などが福利厚生の一環としてカウンセラー契約して頂くような方がビジネスに繋がりやすいのかもしれません。今の日本では、選手が料金を支払ってカウンセリングを受けるというのは、現実的には難しいと感じるところがありますね。

アメリカなど海外では、メンタルカウンセラーは、フィジカルトレーナーと同じ地位がありますので、日本のスポーツ界が世界から遅れていると言わざるを得ないですね。

起業して環境面などの変化はありましたか?

環境面の変化という点では、自分にマインドリセットがかかったところですね。

元々大手企業にいたので、定年退職まで無事に勤め上げられればよいかなという、結構受け身的な感じではありました。病気で倒れて意識が戻った時に、自分が生かされた(生還した)理由は、会社員に戻ることではなく、アスリートとして大きな挫折を背負ってしまった経験を基に、同じように悩んでいる後輩アスリート達の声を聴き、もう一度立ち上がることを支援することだと悟ってしまいました。

そのためにはアスリートとしての経験値だけでは足りない、きちんと学問を収める必要があると思い立ち、国家試験を取得することにしました。その後もアスリート専門の心理カウンセラーになると言う夢の実現に集中していたので、つらいリハビリも、企業退職もほとんどネガティブな意識がなく、目標達成のためのプロセスとして受け入れられた感じです。起業後も大変という感覚はまったくなく、スポーツ庁からのお声がけや、一般企業様からのスポンサーの申し入れ、ラジオ出演、講演依頼など、今現在に至っても楽しい事ばかりですし、後輩アスリート達への貢献が少しずつ現実化できていると言う充足感に満ちています。

 

シニアノミライ:それってアスリートの方、結構ニーズは結果的にはあったってことですか?

 

ありますね。やはりアスリートの後輩も多いですから、起業する前もかなり相談には乗っていました。今現在もアスリートの引退後のセカンドキャリアは社会課題となっており、ようやく3年前にスポーツ庁がアスリートキャリアコーディネーターというアスリート専門心理カウンセラーを創設した経緯があります。

スポーツ庁が動き出しましたが、スポーツ業界でもまだ認知が薄く、これからどう認知を拡げ、引退アスリートのセカンドキャリア問題に国としてどう取り組んでいくかというのが、直近の課題となっております。

当然私もスポーツ庁のキャリアセンターメンバーとしてその課題解決に日々奔走しております。

今後の展望をお聞かせください。

今、アスユメLabo.には、協賛企業様がついておりますので、ある一定数のアスリートへのカウンセリングは無償で提供できています。ただ、これはレアケースに近いものですので、同じような仕組みがもっと広く展開できるとアスリートのセカンドキャリア支援にはとても有効だと考えています。

実際には、今こうしている間にも数万人のアスリートが引退に悩んでいます。絶対数に対して専門カウンセラーが不足しています。そのためにはスポーツ庁を頂点とする民間協力のもと、カウンセリングの仕組みの構築が必要と思っております。

アスリート支援を社会貢献の一つと考えると、私ももっとスポンサー企業、投資家の方にもこの仕組みがあることを宣伝していく必要があるかなとも思っています。

またそういう方とお知り合いになれる機会があるととても嬉しく思います。

これから起業するシニア起業家の方へアドバイス。

起業というキャリアチェンジへ挑戦することは素晴らしい事です。そのチャレンジが、世の中に役立ち、自分の生きがい、生きている価値に変わるのであれば、これほど嬉しいことはないと思います。なぜ自分は起業するのか?自分の描いた信念と、夢を実現する事をイメージしながら、チャレンジする事に感動してください。

そして、いつか皆様といっしょにお仕事できることをとても楽しみにしています。

アスユメパートナーの現役プロテニスプレーヤー森崎可南子選手(元全日本チャンピオン)と撮影

【掲載企業情報】

事業所名 アスユメLabo.
電話番号 090-1805-4793e-mail:kazumasa.okayasu@asuyume-labo.com
H  P https://asuyume-labo.com/
編集:株式会社ブランブランシュ

お問い合わせ

当サイトについて、または起業にご興味のある方は、右記下記「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。