未経験から夜の社交場を開業。
みんなが笑っていられる憩いの場づくりを。

白澤さんが横浜市中区の夜の街にラウンジ「kiyora」をオープンさせたのは8年ほど前。銀行勤務から結婚し専業主婦へ。その後お子さんを育て上げ、コールセンターで仕事復帰という道を辿ってからの起業でした。
ドラスティックな方向転換をしての開業したきっかけはとても単純だったそうです。「私、大好きな着物を着ることができる仕事がしたかったのです。毎日パソコンに向かう仕事ではなく、好きなことができる環境がいいなって思っていて。そのほうがいつも笑顔でいられると思い開業の準備にかかりました。まわりの知人には大丈夫？半年保たないよ。と言われましたが、せっかくだからやってみようと思い行動に移しました。」

「kiyora」はいわゆる社交飲食業（ラウンジ）です。定額料金制で安心安全にくつろぎ時間を過ごせる夜の憩いの場を提供しています。お客様は経営者の方が多いですね。私自身が開業してから異業種交流会に積極的に参加する様になったことから、そのお仲間たちが数多く来てくださいます。お店は馬車道近くで横浜エリアでは大人の街ですから素敵な飲み方をする方が多いですね。そういったお客様の輪の中から、お店の経営に関する良き相談相手もいてくださるのでありがたい限りです。

ナイトワークの経験が殆んどなく、起業経験もなかったので、わからないことばかりでした。起業前から入念な準備をすることもなく、勢いで始めたので店の料金設定も、スタッフの給料も、雇用予定のナイトワークの経験の長いスタッフ達に教わりながら決めていきました。また、ネットで検索し、他店の情報なども調べたりしながら料金設定も決めて行ったりして、当時はなんとか乗り越えていきました。当時は税理士さんの知り合いもいなかったので青色申告会に顔も名前も覚えてもらえるくらい何度も何度も通い、自分でできるようになりました。
私は本当に運が良かったので、困ったことがあるとその時々で抜群のタイミングでサポートしてくださる方々と出会うことができましたが、当時から専門家の人脈を持っていたら回り道はせずに最短距離で開業の準備もできたのだろうと今は思います。

「公私ともに大きな変化がありました。起業したことで自由な時間は減りましたが、経済的には豊かになれました。」中でも大きな転機は経営者の方々が集まるコミュニティへの参加だったようです。起業して3年目くらいから交流会活動を始めましたが、そこで人脈が大きく広がりました。今まで出会うことのなかった様々な業種の経営者とのつながりは今も私の大切な宝物です。こういった人と日々出会うお仕事をしていると痛切に感じます。
壁にぶち当たることがある度に乗り越えて行けているのは、交流会への参加があったからだと思っています。

Kiyoraの2号店を作りたいと思っています。今の業態とは変化をつけて、お母さんの味『具だくさんのお味噌汁とお結び』のお店を計画しています。お昼のランチやおやつ甘味処、さらには夜おばんざいを提供していく、そこから kiyora1号店であるラウンジへ誘導していく流れを作れたら良いなと。夜のお店のあり方もこれから変わっていくかと思いますので、私も新たなチャレンジをしていきたいと思い準備中です。

私の親しい友人のご主人が60歳で既にリタイヤして悠々自適に過ごしているのですが、友人に会う度に「本当に毎日つまらない」と言っています。年金生活で豊かではあるのですけれど。友人は私に会うと「すごく楽しそう！私も働きたい！」と言っているんです。仕事を持っていることで生き生きすごせるのかなと感じています。
なので皆さんにお伝えしたいのは、リタイアするにはまだまだ早いです。出来る仕事があることで、まだまだキラキラ輝いていられると思います。同じ60代を過ごすのであれば仕事を持っていれば生き生きと過ごせると思います。
私のお店にお越しいただく方を見ていて感じるのは、経営者のお客様は気持ちも若く元気な方が多いで、若々しくセカンドライフを過ごしていけると思います。私の夢は生涯現役です！！「定年がなく生涯現役でいられたら幸せじゃないですか」起業を考えている同世代の皆様、ぜひ一度店にお越しください。私の経験談が少しでもお役に立てれば幸いです。